下野国田園城館探訪ツアー その5 野木町史に掲載されていた城館跡4箇所を訪問し終え、いよいよ今回の探訪の大部分を占める小山市に突入する。 市の面積がやや広いため、車での城館探訪でなければ1日で回る事は難しそうだ。 早速今の所在地から最も近い小谷(こや)城へ赴く。 ●小谷城(栃木県小山市) 小山市の城館跡で最南に位置するのがこの小谷城。 恐らく名称も武士が寝泊りする「小屋」が転じて名づけられたと安易に分かる。 この辺りはかって思川が蛇行して流れていた場所だけに、その川の流れを利用した遺構が楽しめる。 早速歩いてみよう。 早速お出迎えしてくれたのは県道沿いにある石碑。 むむ、ここの様な城にもこれだけ立派な石碑が建っていようとは・・・。 埼玉県内だったらこの待遇は厳しいだろうと思う。 先の写真もそうだったが、水田地帯のこの辺りにしては写真奥の地形の高まりはかなりそそられる。 これだけ地形が高ければ多少の水害だったら飲み込まれる事もなかっただろう。 周辺の沼地などを考慮すると、かなり自然の地形を利用した・・・いわば「低コストで築かれた要害」であったと言える。 更に探索を進めると、城の中央付近に鎮座する神明社がある。 先の石碑の後にもそういえば神明社があったが、城を守り続けているのか。 その神明社の北にはかっての思川の河川跡を利用して作られた水田があった。 おそらく手前の砂利道も以前は沼地だった事を踏まえると結構な幅になる。 自然の地形ではあるが、こういう場所を見つけると嬉しくなる。 城の北東側に立って城の方面を望む。 T字路の先が少々地形的に高まりを見せている。 明確な遺構でないにしても、こういう遺構の範囲がなんとなく分かるのが個人的にお好み。 東側は旧河川道によって湿地帯となっており、現代もその堅固な様相を見せてくれている。 今回の城館探訪、初訪問の所ばかりになるのだが、実にいい。 やはり田植えの時期の爽やかな風に吹かれながらの城館探訪は楽しい。 一通り周辺を見渡した後、小谷城を後にした。 つづく [1回]PR