下野国田園城館探訪ツアー その9 塚田館の遺構の無さは、今思うと自分好みなのかも知れない。 「遺構が明確に残されていない=想像する余地がある」 っという事にもなるからだ。 またまた細い道をグネグネと這いくぐって、国道4号線バイバスへ。 バイバス線から見える城が中久喜城である。 ●中久喜城(栃木県小山市) 小山と結城の中間に位置する為、中世期においてはかなり重要視された城だろう。 ある意味今でも近くが国道4号線と50号線の交差地点なので、交通の要衝となっている。 さて、何処から入るのかとグルグルと2週ばかりしてしまった。 ぐるっと回ってばかりだったが、アングル的にはこの国道4号から見た中久喜城が一番いい感じだ。 流石にすぐ側を車が高速運転しているので、ハザードランプを付けながら車内で撮影。 ドアを開けて一歩でも外に出ようものなら、すぐに轢かれてしまいそうなこの恐怖。 一通り周りを撮影して、県道264号線より細い路地を入り城の見学に向かう。 ここにも立派な石碑があった。 もっともここほど遺構が残っていれば、石碑の存在も当然と思える所も。 なお、その背後は空堀になっているようだが、藪が凄そうで入る気にもなれない。 噂には聞いていたが、こうやって図を見ると見事に線路が城内を貫通している。 城内で削られた土塁は低地の築堤に使われたと安易に想像できる。 分断された城の北側の土塁上。 ここだけ見てもかなり興奮してくる。 ・・・さて、分断された南側の遺構はどういけるのやら? 近くで農作業されてる方に線路の向こう側への行き方を訪ねたら、 ここの踏切を渡っていくように勧められた。 それにしても踏切名が思い切り「城山踏切」と書かれている辺り、城を破壊したのが確信犯的に見えてしょうがない。 踏切を越えて道沿いを歩いていくと土塁にお目にかかれる。 ・・・立派な遺構があるのだが、藪が凄くて写真にならないのが残念。 藪同様に目に付くのが「ゴミ捨て禁止」の看板。 城跡って所は何処も不法投棄の餌食になってしまうのだな・・・。 更に道沿いに歩いていくとステキな土塁を発見。 って事はこの道は空堀?それとも武者溜り? そんなこんなで本曲輪に到着。 う~ん、見事に農地になっとるのう。 このままの状態で置かれるのなら、いっそ史跡公園にでも・・・ いや、生活に溶け込んでるようで浮いているこの状態でも魅力ある。 それはさておき、全体的に藪が凄くて遺構が見渡せないのが残念である。 帰りに城内を轟音立てながら爆走する電車を見送る。 この電車に乗っている人たちで、ここが城跡であると知っている人はどの位いるのだろうか? 帰る際に色々と教えてくれた農作業中のご夫婦に、篤くお礼を申し上げた。 ちなみにこの辺りは史跡区域(だったかな?)になっていて、農地はできるが建物は建てられないそうだ。 確かに宅地になってしまったら、再び遺構が地表に現すのは下手すれば数百年後。 鉄道によって遺構が破壊されつつも、保護されている事に安心してしまったり。 って事で中久喜城を後にして。いよいよ小山市の中枢部へ向かう事にした。 つづく [0回]PR