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星尾城

先日回りきれなかった山城パラダイスの群馬県南牧村。
とは言え、元もとの地形の険しさを利用した山城が多いので、堀切などの設備は乏しい。
性懲りも無く簡単にいけそうな山城はと地図を調べていたら、林道から登れそうな星尾城が候補に挙がった。
さっそく南牧村へ行き、城を見る事に。

●星尾城(群馬県甘楽郡南牧村)
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星尾城は荒船山の南に位置し、その荒船山の西側にある星尾峠を通る街道を監視していたと思われる砦である。

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麓から星尾城のある城山を望む。
ここから歩くのであれば滅入りそうな山だが、今回は林道という心強い味方が居るので安心だ。
一回星尾の集落に入り、標高1080mの大屋山の西に敷設されている林道へ。

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大屋山の尾根の一部に星尾城があり、林道からの目印は最初に出てくるこのトンネルなので分かり易い。
ちなみにこのトンネルの名前は「阿久津隧道」と言うらしい。

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トンネルの横に目を向けるとそこには数多くの石積みが。
これがこの地がどれだけ崩れ易い地形であるかを物語っているようである。
今回はこのままこの斜面を直登したのだが、降りるときに見つけた当時の道を辿って案内する事にする。

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先のトンネルの向かって左に法面(のりめん:人工の斜面)があり、その合間に階段が設置されている。
恐らくはこの林道を作る際にこの階段のあるところには星尾城への道があったのであろう。
ここを上がって法面沿いに上がっていく。

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途中が少々雨水で荒れてしまっている道になるが、それにもめげず上がっていく。
山を歩きなれた人であればそこに道があったのが分かると思われる。

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するとこの石積みが現れ、道を保護している。
ここについたらそのまま先のトンネルの上の鞍部(ラクダのコブの間みたいな地形)を目指して歩いていく。

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すると堀切と見間違えるような切通しが現れる。
恐らくは切通しでありながらも星尾城を守る堀切でもあるのだろう。
ここから城山方面(西)に向かって上がっていく。

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個人的に星尾城を代表する遺構と思っている場所がここである。
この地形を見た瞬間「岩壁ロード」という言葉が浮かんでしまった。
これだけ巨大な岩を穿って人の通れる道を作っているのが素晴らしい。

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ただ今「(仮称)岩壁ロード」を通過中。
にしてもこれだけの道を作るのに相当苦労もあったのだろうな。
直接的な城館遺構ではないが、ここには感動したり。

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一つ尾根を越えて行くと更に南に向かって道が続く。
これだけの斜面だと進むのも大変なのだが、石積みのおかげで快適に城へ行く事ができた。

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遺構は山頂と言われているが、山頂付近は削平地は乏しかった。
その点、先の岩壁ロードによって導かれたこの平場の方が城の遺構と呼ぶには相応しかった。
この先は木々が無いので展望を楽しむ事に。

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尾根の先はこんな感じで、一歩でも踏み外せば絶壁から転げ落ちる危険な場所。
しかし、この地形のおかげで周辺の見晴らしは良好になっている。
足元の岩にしがみつきながら、周りをみてみよう。

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まずは星尾峠方面を望んでみる。
地図を見た感じではギリギリ星尾峠が見えるかと思っていたが、残念ながら荒船山から伸びる尾根に遮られて峠は見る事が出来なかった。

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今度は南に目を向ける。
写真中央奥の鉄塔の立っている山がこの辺りの主要城である砥沢城。
城山の山頂ではないが、ここからも砥沢城への烽火などの連絡が可能である事がよく分かる。

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そんな砥沢城の風景をさらに拡大してみた。
この城へのアクセスは背後に林道が走っている為にここより訪問し易いのかも知れない。
それにしても鉄塔が建ったのは残念だが、そのおかげで砥沢城の目印になって少々便利。

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砥沢城に建っている鉄塔の先へ目を向ければ、そこには海抜1200m級の稜線を越える鉄塔たちの勇姿があった。
それにしてもこんな標高の高い山も越える送電鉄塔って改めて凄いと思う。

下はおそらく直接城跡ではない部分と思われるが、オマケで書き足しておきやす。
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ここからはこの切通しより城山めがけて直登した記録を残しておいたりする。
この時は全然簡単に城に着いたと思っていたが・・・

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山頂は見える・・・見えるけど険しい。
特に木も生えてなく、その上枯葉とガレでかなり崩れ易い。
この時は本当に「これじゃ堀切等の城館遺構はいらねえ」って心から思ったのであった。

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やっと登った山頂。
それにしても滑落すれば何十mも下にズルズルと落ちていたに違いない。
急斜面を登りきり、荒船山から吹いてくる冷たい風に熱くなった身体を冷やしながら一息。

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荒船山方面を望む。
中央左上にある立岩と呼ばれる岩山がこの辺りの地形の険しさを象徴しているかのようである。
確かに岩が立っている様に見える。

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星尾峠方面(西)を見る。
ここからも上記の立岩から伸びる尾根が邪魔で星尾峠は見えない。
でもここだと遠くに信州との境を成す余地峠が見えそうである。

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先の山頂の部分は岩場になっており、かなり危ない足取りで南西に伸びる尾根まで降りてきた。
ここも見た感じでは自然地形であり、城郭遺構は見られなかった。
(これより後に訪れた最初に書いた尾根上が遺構であると思う原因はここにもある)

ここから堀切らしい場所を見つけつつ降りて本来の場所を発見するに至っている。
やはりここの目玉は「岩壁ロード」に尽きると改めて思ったのであった。

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