飯盛山 ●飯盛山(埼玉県児玉郡神川町) 普段から城館跡の情報を提供していただいている『城逢人』の史進氏より飯盛山が砦であるという情報をいただいたので、早速調査に赴いた。 上の写真の三角山がその砦と言われる飯盛山である。 ただ、ここは一つ問題があって、現在完全にゴルフ場の敷地内になってしまっているのである。 旧神泉村役場にあった航空写真から見てもコースにすっぽり収まってしまっているのが分かる。 でもこの威容を見るとどうしても行きたい。 旧村役場で聞いた所、このゴルフ場に入れるかゴルフ場に聞いてみないと分からないようだ。 少し考えた結果ダメで元々、単身ゴルフ場のフロント(?)に乗り込み聞いてみる事にした。 ・・・最初の難関が訪れた。 専用道路には既にプレーヤー以外の侵入を拒む看板が設置されていた。 もしかして結構無関係な人が来て、ゴルフ場に悪い印象があるのか? ここはちゃんと「飯盛山に行きたい」旨を伝えて頼むしかない。 その代わり、断わられたら潔く撤収するようにしよう。 ・・・フロントで頼んでみたら、何気にあっさりとOKが出た。 人数と車を何処に停めてあるかを聞かれただけだったりしたが、 ちょくちょく人が来るようになると身分証明書などの提示を求められるかも知れないな。 今回、あくまで部外者であるから速やかに飯盛山の調査を行う事にしよう。 ゴルフ場内から見る飯盛山。 同じ条件の毛呂山町の竜ヶ谷城は登り口があったので油断していたが、ここは周囲を見渡しても明確な登り口はない。 山の北東にペンションらしき建物が並んでおり、その途切れた辺りにかっての飯盛山登山口があったようだ。 だが、ここから降りてきた時に服に付く植物などうんざりする植物が覆いつくされていて、かなり参った。 ここを利用する場合はそれなりの藪装備が必要となるようだ。 それ以外だとコースの脇を通過するぐらいしか道はない。 こちら(南側)は明確な登山道は無いが、多少藪漕ぎ慣れた人であれば簡単にたどり着けると思う。 今回は途中から巻き道が西側を通っていたので西から周って北側に取り付く形で山頂に着く事になった。 おお!!これはいい腰曲輪。 情報を受けた時、ショボイ遺構しか想像していなかっただけに、かなりテンションが上がってくる。 そして主郭へ到着。 道が無くなり訪れる人が居なくなった割には立派なお社が建っている。 南側は土盛りされていて、少し高くなっている、恐らくは土塁があったのであろう。 その上には幾つかの石碑が建っており、信仰の山でもあった事を伺わせる。 北側は木が無い為に、当時の眺望のよさがそのまま再現されている。 方向は神流川下流方面で、中央付近には金鑽神社のご神体である金鑽御嶽城がある。 それにしてもここからだと視野を遮るものが無いので、実によく見える。 それでこちらは南側にある腰曲輪。 北側に比べるとやや小ぶりな感じだが、実によく残されている。 これより下に堀切があったかも知れないが、ゴルフ場建設の際土取りされてしまい永遠の謎になってしまった。 それで北側の腰曲輪よりかっての道で降りたのだが・・・先述した通り猛烈な藪に襲われ靴の中は種だらけにされてしまった。 良い遺構が見れたのはいいが、ゴルフ場の敷地内という事もあるので以後訪れないようにしよう。 [0回]PR